1. 生活動線|毎日の暮らしを支える“最重要動線”

生活動線とは、家の中で普段の生活を送る際の移動ルートのことです。
玄関→リビング→キッチン→洗面→寝室、といった一日の流れの中で自然と通る道が生活動線となります。

生活動線を整えるメリット

  • 無駄な移動がなくなる
  • 料理・洗濯・休憩・就寝までの流れがスムーズ
  • 家族全員が「使いやすい家」に感じる

生活動線が複雑だったり、回り道が多い間取りだと、どんなに広い家でも住み心地は悪くなってしまいます。
注文住宅では、まず生活動線を最短で、シンプルに、迷わない動きになるよう設計することが大切です。


2. 家事動線|ストレスを減らし時短につながるルート

特に重要なのが「家事動線」です。
家事動線とは、キッチン・ダイニング・洗面・浴室・トイレなど、家事を行う場所を行き来するためのルートのこと。

家事動線が良いとどう変わる?

  • キッチンと洗面を近くすると料理中に洗濯機を回しやすい
  • バルコニーが洗濯機の近くなら外干しが簡単
  • 収納に動線を合わせることで片付けの手間が減る
  • 家事の“同時進行”がしやすくなる

毎日行う家事だからこそ、動線の良さが暮らしの快適さを大きく左右します。
「最短距離で移動できる間取り」を強く意識したい動線です。


3. 通勤動線|忙しい朝を助ける“家族ごとのルート”

通勤動線とは、朝に仕事へ行く大人や、登校する子どもが使う動線のことです。

通勤動線に含まれる主な移動先

  • 洗面所(歯磨き・身だしなみを整える)
  • トイレ
  • クローゼット(着替え)
  • ダイニング(朝食)
  • 玄関(靴を履き外出)

これらがバラバラに配置されていると、朝に家の中で“渋滞”が起きたり、無駄な動きが生まれがちです。
通勤動線を考えて間取りを作れば、時間に追われる朝でもスムーズに出かけられ、家族みんなが快適になります。


4. 衛生動線|プライバシーと生活のしやすさを両立

衛生動線とは、洗面所・浴室・トイレなど水回りの移動ルートです。
快適な生活のためには、「動きやすさ」だけでなく「見えにくさ」も重視する必要があります。

衛生動線のポイント

  • リビングやダイニングから丸見えにならない配置にする
  • 来客から直接見えない位置に水まわりをまとめる
  • できれば水まわり同士を近づけて家事動線とも連動させる

プライバシー確保は衛生動線の重要な役割。
家族だけでなく、来客があったときにも安心して使える空間をつくることができます。


5. 来客動線|家族の生活を守りながらおもてなしするために

来客動線とは、お客様が家に入ってから通るルートのことです。

来客動線を整えるメリット

  • 生活感のある場所を見せずに済む
  • 家族のプライバシーを守れる
  • 来客対応がスムーズになる

ポイントは、生活動線と極力かぶらないようにすること。
玄関からリビングや客間へ直行できるルートがあると、急な来客でも慌てる必要がありません。


まとめ:優先すべきは生活・家事・通勤動線。余裕があれば衛生・来客動線も

動線設計にはいくつも種類があり、それぞれに役割があります。

優先順位としては、まず生活動線・家事動線・通勤動線を重視し、余裕があれば衛生動線や来客動線も加えると、より完成度の高い注文住宅になります。